鹿児島県吹上町そば畑
「鹿児島薩摩そば」の伝統を継承しています。
南国鹿児島は8月と11月がそばの実の収穫時期。収穫したばかりのそばの実は青く、とてもきれいな色をしています。鹿児島の中でも季節や場所、畑や休耕田などに酔ってそばの出来は違ってきます。
そんなそばの実を挽いて作られる鹿児島そばは自然薯(山芋)を練り込んだコシのあるそばで「薩摩そば」と呼ばれています。
私たちは昔から地元で親しまれてきた「薩摩そば」の伝統を継承しています。
香り豊かなそばを楽しめる秘訣
そばは「挽き立て」「打ち立て」「ゆで立て」が魅力。香り高いそばをお客様にお出しするため、南九州市知覧町にある「手打ちそば道場 三稜館」で、その日使う分だけのそばの実をひいています。
ここにあるのは、長野の山中から掘り出した大きな安山岩の二つの石うす。そばの実に熱が伝わって香りが逃げないように、一分間に20回転のペースでゆっくりと廻ります。すべての店舗でお客様の注文を受けてから、そばをゆでています。
そばはゆでたてが一番。熱いうちにおめしあがりください。
さつまいもを食べてすくすくと
四肢・頭・尾の6カ所に白い部分があるため、“六白”とも呼ばれる「かごしま六白黒豚」。400年以上の長い歴史の中で、鹿児島の風土に育まれながら改良を重ね、現在のかごしま黒豚が生まれました。
豚肉はタンパク質、ビタミンB群が豊富ですが、更にかごしま黒豚はうま味成分のアミノ酸を多く含んでいます。さつまいもを含んだ飼料を食べることで、独特の旨味と甘味が増し、やわらかくて旨味の濃い歯切れのいい黒豚に育ちます。
そんな鹿児島産六白黒豚料理に「遊び心」を加えご提供しています。
そば屋ならではの発想で生まれた
当店独自の黒豚しゃぶ
島津のお殿様に珍重され、全国各地の大名からも欲しがられたという鹿児島産黒豚をよりおいしく、より新しい味わい方でご提供したいと生まれた「そばつゆ仕立て黒豚しゃぶ」は、そば屋ならではの発想で開発された新しい定番。
ばら肉をそば湯にくぐらせ、そばつゆでサッパリと。薬味は特製ゆず胡椒に手間ひまかけたさらしねぎ。脂肪やコレステロールが取り除かれるしゃぶしゃぶとそばつゆはサッパリとしていていくらでも食べられると評判の当店独自の豚しゃぶです。他にも黒豚のおいしさを伝えるべく日々研究し、みなさまにお届けしています。
「そばに合う焼酎」が原点
お客様から「そばに合ういも焼酎を作ってほしい」という要望で誕生したのが「一本〆」です。「一本〆」を造っているのは、吹上庵が生まれた日置市吹上町にある「西酒造」。吹上庵第一号店の吹上店から車でわずか数分、豊かな緑に囲まれた静かな山間にあります。江戸時代末期の1845年創業の西酒造は、伝統を重んじながらも、新しい手法を取り入れた焼酎づくりを行っている蔵元です。ここで、そばに合う焼酎を追い求め、試行錯誤の末、いも焼酎「一本〆」を作って頂いています。
苦難の連続で生まれた焼酎「一本〆」
そばの香りを損なわず、そばをもっと食べたくなるようないも焼酎。その思いをかたちにするまでは、苦難の連続でした。
その結果、南薩摩の豊かな大地で育ったさつまいも(コガネセンガン)、名水の誉れ高い地元の地下水、厳選された麹で造る「一本〆」が誕生。試飲会のとき、そばとの相性があまりにも良く、思わず一本締めが飛び出したほどでした。
そのエピソードから名付けられた『一本〆』は、軽やかなさつまいもの香り、キレのいい口当たり、繊細でまろやかな味が、そばにぴったりの焼酎となりました。この焼酎「一本〆」は一般には市販されていない弊社オリジナルの焼酎です。
昔ながらの製法にこだわり(鹿児島の醤油)
弊社では全店で鹿児島の醤油をご用意しております。契約醸造で、昔ながらの製法でつくられた「生揚(きあげ)」と呼ばれる醤油の元を火入れ(85度に加熱)調味して、弊社の工場に直送されます。
熟成でさらにまろやかに(本返し醤油)
工場に入った生醤油は、ザラメ、味醂と調合され冷暗所でたっぷり3週間。「寝る子は育つ」の言葉通り、カドのとれたまろやかな本返しに仕上がります。この本返しに、しいたけ、鹿児島産のカツオ節などでとった出汁と合わせると、吹上庵のそばつゆの誕生です。
食べ放題で人気の裏メニュー
食事が出てくる前、お茶と一緒にお漬物が出てくるのは鹿児島独特のおもてなし文化。吹上庵の大根漬けはメニュー表に載っていない、隠れた人気“裏メニュー”です。
丁寧に皮をむいた大根一本を丸ごと縦割りにし、塩と七味を一本ずつすりこんで、漬け込むだけ。各店のスタッフが「おいしくなりますように」という思いを込め、お店が終わってから毎日漬けています。お客様には料理をお待ちいただく間、お好きなだけお召し上がりいただけます。